M.M アルティメット・ノベル・ゲーム・ギャラクティカ 第二章 (前篇)


 この「アルティメット・ノベル・ゲーム・ギャラクティカ 第二章 (前篇)」は先に発売された「アルティメット・ノベル・ゲーム・ギャラクティカ 〜第一章 テクノ原理」の続きとなっております。その為レビューには「アルティメット・ノベル・ゲーム・ギャラクティカ 〜第一章 テクノ原理」を含めたネタバレが含まれていますので、ネタバレを避けたい方は避難して下さい。

・「アルティメット・ノベル・ゲーム・ギャラクティカ 〜第一章 テクノ原理」のレビューはこちら

※このレビューにはネタバレしかありません。前作と本作の両方をプレイした方のみサポートしております。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。





















































































<どんどん他の世界と「ずれ」ていく展開と人間模様に注目ですね>

 主人公である山賀はとあるオタクサークルのメンバーです。サークルの恒例行事である「火の七日間」の企画として浮上したノベルゲームを作るということ、山賀はそのシナリオライターとして制作を始めました。第一章は選択肢で3つのシナリオを書く山賀を追い続けてましたが、その展開は第二章でも続きました。しかし物語を読み進めていく中でよりこの3つの世界は「ずれ」ていき、それは山賀の人生にも影響を与え始めました。

 まさか他の世界の山賀と入れ替わりをするとは思っても見ませんでした。突然現れたアルティメット・ノベル・ゲーム・ギャラクティカ準備会の案内人であるパラ子、それはパラレルワールドを行き来する事が出来る存在でした。気まぐれに登場しては意味深めいた言葉を放ち、少しずつ山賀の心に居座っていきます。それだけならまだ良かったですが、学園部活動モノを作る山賀と東方二次創作モノを作る山賀が入れ替わってしまいましたからね。そしてその変化に対して機見も野之原も敏感に察知します。この作品、山賀と他2人との人間模様にも注目ですね。学園部活動モノの世界でちょっと心を打ち明けた機見、東方二次創作モノの世界で一緒の時間を過ごした野之原、もしかしたら特定の女の子と関係を深めてしまった事が引き金になったのかも知れませんね。

 そしてそんな中でSFモノの世界だけは展開が独立しておりました。第一章でもこのSFモノの世界だけ制作の展開が遅く他の2つとはちょっと空気が違うなと思ってましたが、その違いはどんどん加速していきました。妖精をパラ子と名付けたのはこの世界の山賀でした。野之原が書いたヒロインの絵がパラ子そっくりでした。そして少し垣間見れたパラ子の能力に加えて1年後の世界からやってきた主人公、世界の混沌さもどんどん加速していきます。この混沌さを作中では「ずれ」と言ってましたが、この事はどのような影響を与えるのでしょうか。そしてノベルゲームは完成するのでしょうか。そしてアルティメット・ノベル・ゲーム・ギャラクティカとは何なのでしょうか。世界はどのように収束するのでしょうか。期待と不安は尽きませんね。

 そして今作でも日常感の演出は変わりませんでした。特に気に入ったのは山賀が「火の七日間ノート」を読みながら他の2人がガンプラを作っている場面でした。ノートを読んでいる場面とガンプラで遊んでいる場面の絶妙な入れ替わり、ちょっとした空気の壁と言いますか、そんなものを感じさせる素敵な演出だと思いました。後はオサレバーでの2人の立ち絵に朱が混じっている描写もちょっとグッときました。前からそういった立ち絵はありましたが、飲んでいる場面でのこの描写は私にとって非常に印象に残りました。後はどうでもいい話題でダラダラ会話する雰囲気も健在していて安心しました。第三章では各世界ともかなりの動きがあるみたいです。世界の謎と人間模様、両方に注目して読み進めていこうと思います。ありがとうございました。


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