M.M 天使の日曜日 “ef - a fairy tale of the two.” Pleasurable Box.


 この「天使の日曜日 “ef - a fairy tale of the two.” Pleasurable Box.」は前作である「ef - a fairy tale of the two.」のファンディスクとなっております。そのため、本編である「ef - a fairy tale of the two.」のネタバレが含まれていますので、ネタバレを避けたい方は避難して下さい。


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<「ef」から始まる「if」の物語>

 この「天使の日曜日 “ef - a fairy tale of the two.” Pleasurable Box.」は、上でも言いました通り「minori」から発表された「ef - a fairy tale of the two.」のファンディスクです。内容的には本編の後日談を語った「after story」と本編とは違う「もしも」の物語を描いた「another story」の2つに大別されます。プレイされた方なら分かるかと思いますが、この「ef - a fairy tale of the two.」の魅力はやはりその丁寧に描かれた世界観とその世界観の特性を十二分に生かした「決して妥協のないシナリオ」だと思っています。このファンディスクはそんな「ef」の世界観が好きなあらゆる方のニーズに答えた、言わばファンディスクの完全版と言える出来だったと思います。

 シナリオは各ヒロインごとに用意されており数は多いですが、一つ一つの長さは短めです。どれも1時間〜1時間30分程度でプレイすることが出来ました。それでも、各ヒロインの本編での物語の補完という意味と、丁寧に描かれた「ef」の世界観を思い出す意味もあり体感的にはプレイ時間以上になっていました。本編終了から比較的時間を置いてのファンディスクでしたが、それに見合ったCGの書き込みや演出は納得の範疇です。

 それではまずは「after story」の感想から。OHPでも書かれています通りヒロインは雨宮優子を除いたメインの4人となっております。まあ、これは「after story」であり本編の後日談であるので残念ながら雨宮優子は登場しません。むしろあれだけ丁寧に本編のシナリオを描いたのだから、after storyで雨宮優子を登場されたら残念というものです。という訳で基本的には4人のヒロインと主人公に視点を置いた典型的な内容でした。そんな中でも特徴的だったのは、一日の時間の流れの中で4人のシナリオをクロスオーバーさせたことですね。これは2つめ、3つめのシナリオと進んでいく中でどんどん面白さが増して行きました。本筋は変わらないのでこのような演出はむしろ大歓迎ですね。「あ〜、この時こいつらはこんな事してたんだな〜」見たいな驚きと面白さが詰まっています。これを楽しみながらプレイするのも良いかも知れません。

 次に「another story」の感想です。今度は本編では実現できない「if」の物語ですので、ある意味非常に新鮮なシナリオとなっております。OHPでも軽く紹介されていますが、「もしも雨宮優子があのクリスマスイブの日に事故にあっていなかったら」、「雨宮明里が死んでおらず雨宮優子が虐待を受けていなかったら」、「羽山水姫が生きていたら」などの誰もが夢見たシナリオが詰まっています。そしてこの「another story」の見所は、「if」の世界観を非常に丁寧に描いていると言うことですね。主要な登場人物だけでなく、物語には直接関係の無い他のキャラクターについてもしっかりと「if」の設定で描いています。この全員をしっかりと「if」で描くことによってシナリオに説得力を持たせることに成功しなのではないかと思います。主人公とヒロインのシナリオに合わせて、設定などの部分を細かく注目するとなお面白さが増すかも知れません。

 最後に全体を通しての感想ですが、やはりファンディスクという事でシナリオに過度な重さは感じませんでした。短めのシナリオの中にしっかりとHシーンを取り込んでいるあたり、本編とはしっかりと差別化を計っているのかも知れません。まあ、そんな雰囲気も含めてきっと「if」な物語なのかも知れません。やり様によってはもっと現実路線でシリアスなシナリオに出来たでしょうし、そういうシナリオにしても元々の「ef」のテーマが「現実の中で夢を求めていく」でしたから誰も文句は言わないと思います。まあ、これはminoriの判断なのでしょうね。私個人としましては、「ef」の物語は「ef - a fairy tale of the two.」で完結していますので、こういった「if」の物語は十分有りでした。やはり、基本的に登場人物にはみんな幸せになっていて欲しいものです。確かに「夢」なのかも知れませんが、皆不幸にならずそれぞれの道を歩んでいく。震災という不幸から復活した音羽なのですから、そんな素敵な物語があっても誰も文句は言えないと思います。そんな、気楽な気持ちでプレイするのが一番だと思いました。

 その他の感想ですが「リア充ハンター優子」は普通に面白いアクションゲームですね。何よりもGoodなのがコントローラでプレイ出来ることです。ちょっとこれはハマってしまいそうです。あと素晴らしかったのは特典の「Blu-ray Disc」ですね。これはminoriの作品である「はるのあしおと」「ef - a fairy tale of the two.」「eden*」の各種ムービーを超高画質で収録した映像集です。これはminoriが自分達の作品の良さを分かっている特典だと思いました。あのムービーを超高画質で、これだけでも買ったかいがあるというものです。

 という訳で基本満足できる内容でした。「ef - a fairy tale of the two.」をプレイされたのであれば是非やって頂きたい作品です。「ef」から始まるあらゆる意味での「if」の物語、楽しかったです。


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