M.M 単調に散る花 第三話・咲散の花


 この「単調に散る花 第三話・咲散の花」は前作である「単調に散る花 第一話・残酷な花」及び「単調に散る花 第二話・冷酷な花」の続編となっております。その為レビューには「単調に散る花 第一話・残酷な花」及び「単調に散る花 第二話・冷酷な花」を含めたネタバレが含まれていますので、ネタバレを避けたい方は避難して下さい。

・「単調に散る花 第一話・残酷な花」のレビューはこちら
・「単調に散る花 第二話・冷酷な花」のレビューはこちら

※このレビューにはネタバレしかありません。前作と本作の両方をプレイした方のみサポートしております。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。





















































































<もう何を信じればいいか、わからない……。それでも確かな事、それは全ての登場人物が欠けてはならない花であるという事。>

 表題の通りなのですが、もう私自身も何を信じれはいいか分からなくなってます。基本的に主人公vs奈切村(なぎりむら)の構図だと思っていたのですが、どうやら登場人物それぞれがそれぞれの壊れ方をしていたみたいです。芽倶夢は何故か2人になってましたし、ひのきは過去と現在で性格が全然違っていたみたいですし、美野瑠は多重人格のようでしたし(それも嘘か本当か曖昧ですし)、これだけで飽和状態です。そして全てのエンディングを見る事で真実が明らかになるどころか何が真実がゴッチャになってしまいましたからね。本当にこれで第四話で集結するのか、そしてそれを私が理解できるのか心配になってきました。

 プロのレビュアーであればこの段階で全ての真実を予測しそれを元に批評しあうのでしょうけど、あいにく私はそれだけの読解力はありません。唯々今後の展開が分からず怯えるだけです。ですがふと思い出したのですが、この作品はミステリーではなくホラーです。ホラーというものはプレイヤーを驚かせ怖がらせるものです。私もプレイ中は今後どういう展開になるか読めず怯えてましたが、これはもしかしたら作者の意図した通りなのかも知れません。ホラーですのでただ怖がればいいんです。つじつま合わせなんて、最悪なくてもいいんです。それなりに形になっていれば良いんです。まあこの作品についてはそんな事はあるはずがないと思っておりますが、是非私のように皆さんも怯えながらプレイしてくれたでしょうか。

 そのような中でもまた幾つか新しい真実が分かってきました。人の頭を砕き花火に人骨を混ぜて打ち上げる奈切村の風習、ひのきの過去、伊麻多さんの本当の職業、真也の母親の「削除する」という異常行動、このあたりは間違いなさそうです。そして第二話で登場した彩芽奈々はこの時から重要人物だとは思ってましたが、これに伊麻多さんとナナと呼ばれる犬のような少女が加わりました。冒頭父親が伊麻多さんに真也のカウンセリングをやって欲しいという描写がありました。この段階で伊麻多さんが間違いなく真実の断片を知っている事間違いありません。第四話では彼が何を口にするのかに注視しながら読んでみようと思います。

 そして物語の冒頭で「花を救うことはできるのか」という問いかけがありました。また彩芽奈々からも「美野瑠は欠けてはならない花」とありました。ここでようやく花についての描写が出てきました。もしかしたら、第一話の副題である「残酷な花」や第二話の副題である「冷酷な花」は誰か特定の人物を指しているのかも知れません。ではそれは誰でしょうか。勝手な妄想ですが、残酷な花も冷酷な花も真也な気がします。村人が虐殺された様子を見てまたかと悟った様子の真也は残酷です。自分に不都合なものを削除しようとする真也は冷酷です。では第三話の副題である「咲散の花」も真也でしょうか?ちょっとしっくり来ませんので違う誰かかも知れません。そしていつもゲームを終了するときに表れる「幸せの花」とは誰なのでしょうか?これも真也でしょうか?色々と想像が膨らみますね。

 いずれにしても全ての登場人物が花に例えられており、全ての花が欠けてはならない存在だと思います。真也が夢見た田舎での穏やかな生活、それにはクラスメイトを始めとして村の人や家族の存在が必要不可欠です。誰が欠けてもダメなのです。全ての登場人物、言い換えれば全ての花が幸せに咲き誇れるようなエンディングであって欲しいと願いますね。


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