M.M 未来探偵ソラとピヨちゃん エピソードホーンテッド


 この「未来探偵ソラとピヨちゃん エピソードホーンテッド」は前作である「未来探偵ソラとピヨちゃん エピソード01+02」の続編となっております。その為レビューには「未来探偵ソラとピヨちゃん エピソード01+02」を含めたネタバレが含まれていますので、ネタバレを避けたい方は避難して下さい。

・「未来探偵ソラとピヨちゃん エピソード01+02」のレビューはこちら

※このレビューにはネタバレしかありません。前作と本作の両方をプレイした方のみサポートしております。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。





















































































<シナリオを消化していく中でだんだんとピヨちゃんの事が好きになっていきました>

 家電製品がネットを結び、社会インフラのネット化が進み、ケータイ電話の中に、心を持つコンシェルキャラが住む未来の日本で、単身東京に上京してきた15歳の少女ウグイスザワ・ソラとヤエガキエドワード探偵事務所の代表ケータイであるヤエガキ・スペイシー・ピヨちゃんが織り成すユルフワな短編作品である「未来探偵ソラとピヨちゃん」。今回レビューしている「エピソードホーンテッド」はシリーズ全体の4話、5話、6話が収録されておりました。作品全体に漂うデジタル感とソラもピヨちゃんの結構思い切りがよく突進系な性格が唯一無二の雰囲気を作り出しており、今作でもソラとピヨちゃんの魅力を余すことなく堪能する事が出来ました。いや、どちらかといえばピヨちゃんの魅力の方が強かったかも知れません。

 全てのエピソードを通じて共通していたのはやはりピヨちゃんの適当で嘘つきでいい加減な性格なのですが、そのピヨちゃんのハッタリが起点となって依頼が完遂されていく様子を見て不思議と「こいつ実は良い奴なんじゃないか?」って思ってしまいました。適当で嘘つきでいい加減なのですが、その分大変素直ですので何故か憎めないんですよね。4話で幽霊に怖がるソラとジョセフィーヌを見て、


「ンフ、クププッ!」
「はあ〜〜〜〜!!」
「それみろ!それみろ!」
「ウワッハッハッハッハッハッ!」


とはしゃいでいる様子なんてもう憎さを通り越して爽快ですらありましたからね。これでこそピヨちゃんです。真面目て利己的で人間の言う事を聞くようなピヨちゃんはピヨちゃんじゃありません。このキャラクターだからこそヤエガキエドワード探偵事務所に依頼を持ってくる人が絶えないのかも知れません。

 そんなピヨちゃんですが唯一真面目になるのはやはりヤエガキエドワード探偵事務所の事でした。5話でユユミから馬鹿にされたときは本気で怒ってましたし、何としても問題を解決しようという執念を感じました。やっぱりこのピヨちゃんとヤエガキエドワードの間には私の想像を超えるような深い真相が待っていそうです。適当な性格であれば、ここまでヤエガキエドワード探偵事務所を守ろうとしないと思います。唯の信頼関係ではない大切な繋がりがあるんだろうなと思っております。後はAIとしてのプライドも持ってました。4話でのxo端末に対する共感や6話でのAIアイドルに対する敵対心はそんなプライドが見え隠れする貴重な機会でした。普段は適当で嘘つきでいい加減な性格なのにココぞというところで決める、いい意味で主人公らしいズルさだと思いました。

 ちなみに謎解きとしてはやはり5話がメインでした。私も問題編で「何となくこれが答えかな〜」と自分の答えを用意していたのですが、残念ながら外れてしまいました。答えを聞いて納得、未来探偵ソラとピヨちゃんらしい心がスッとする結末に私の気持ちも和やかになってました。この作品、基本的にシリアスになりすぎないシナリオも魅力ですね。お手軽に読めるのは30分程度で読み切れるテキストの短さだけではなく展開の速さとシナリオの軽快さも理由なんだなと今更ながら思いました。さて、そんな未来探偵ソラとピヨちゃんも次回が最後です。果たしてピヨちゃんに隠された謎はなんなのか、ソラは自分だけの景色を見つけられるのか。とにかく何よりもこの2人の心理描写に注目して次に進もうと思います。


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