M.M パンドラのびっくり箱


<プレイヤーの要望に上手く応えたファンディスク>

 「パンドラのびっくり箱」は、文字通り「パンドラの夢」のファンディスクであり、結構多くのコンテンツがありました。主なコンテンツ毎に評価していきたいと思います。

 メインコンテンツとして、ショートシナリオが二つほどあります。一つは本作のアフターシナリオである「唯人の夢」で、本作のエンディングから何年か後の話となっています。これは本作を全てやり終えた方には是非やってもらいたいですし、逆にまだ終わってない方はやってはいけません。あのエンディングの内容を上手くはらんで、出来るだけ多くの方が満足していただけるようなシナリオが待っています。時間も一時間半程度で終わりますので、期待してやってみて下さい。

 もう一つは本作の外伝的な物である「唯人のもう一つの夢」で、雰囲気としてはかなりバカなノリに仕上がっています。内容は、主人公である「平野唯人」の妄想であるハーレムを描いたもので、なかなか面白かったです。ただし、多少ありえないシチュエーションが存在するため、最低限リアリティを持ちたい方は違和感を持たれるかもしれません。時間は約一時間くらいです。

 その他のコンテンツとして、「じゃらじゃらパンドラ 完全版」があります。内容はタイトル通り「パンドラの夢」の登場キャラクターに関した麻雀です。私は麻雀の事は良くわからないのでやってませんが、役の名前から声から色々と「パンドラの夢」使用になっていますので、好きな方は楽しめるのではないかと思います。次に「パンドラシスターズ」があります。これは、「パンドラの夢」のキャラクターが織り成すミニアクションゲームで、二次元の高低差のあるフィールドでキャラクター特有の武器を持って相手を倒すゲームです。正直コツさえ掴めば簡単に進める事が出来ますので、これを極めるとなると自分なりのテクニックを相当磨かないと差が出ないのではないかと思います。他には「デスクトップアクセサリー」が幾つかあります。かなりのインパクトがありますので、キャラクターが気に入った方は好きになれるのではないでしょうか。

 そして一般のファンディスクには見られない要素が一つあります。それは、シナリオを一般投稿にしてその中から出来の良かった物をゲーム化した事です。ゲーム化されたのは大賞に選ばれた一つだけで、他にも良かった物はシナリオのみ紹介されています。実際プレイしてみましたが、非常に考えられたシナリオでした。その他のシナリオもかなり味のある物ばかりでした。

 こうして振り返ってみると、かなりプレイヤーを意識した雰囲気を感じるファンディスクだと思いました。ショートシナリオの内容といい、大賞に選ばれたシナリオの内容といい、あくまで一般的に考えて妥当である内容であったと思います。シナリオを作るに当って、たとえ万人受けしなくても自分達の描きたい物を描く場合とニーズが求める内容を追求して描く場合の二種類があると思いますが、このファンディスクは明らかに後者の流れです。そして、ファンディスクということでパジャマソフトのとったやり方は成功だと思います。パンドラの夢をプレイして気に入った方は、是非プレイする事をオススメします。


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現在ネタバレのレビューはありません。見たい方も見たくない方も避難して下さい。

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