M.M Orgel of Orpheus ―アザーコームの旋律―


<オルゴールとピアノの融合から始まるオルフェウスの竪琴のプロローグ>

 この「Orgel of Orpheus ―アザーコームの旋律―」という作品は私がC79で偶然見つけたサークルである「ふぉらん」から出されたサウンドノベルです。前作である「オルフェウスの竪琴」の続編であり、オルフェウスの竪琴のプロローグにあたる内容になっています。もともとオルフェウスの竪琴は気に入ってました。2時間30分というプレイ時間でありながら簡潔にまとまったシナリオとテーマ、そして美しい音楽に感心したのは覚えています。今回はそんなオルフェウスの竪琴の続編という事で、ある程度期待してプレイしてみました。結果、前作同様の雰囲気で穏やかな気持ちになることができました。

 オルフェウスの竪琴の続編という事ですが、実際シナリオの絡みはありません。オルフェウスの竪琴の主人公の祖父にあたる人物が今回の主人公であり、その主人公が出会った一人の天才ピアニストとの物語です。ちなみにプレイ時間は何と45分。通常のサウンドノベルの第一章程度の長さで終わってしまいました。そういう意味で残念ながらシナリオについてはそれほど語ることもありません。あくまでオルフェウスの竪琴をプレイされた人が対象で、オルフェウスの竪琴の雰囲気をもう一度味わいたいという人向けだと言えます。ファンディスクの感覚プレイするとしっくりくるかもしれません。

 その中でも特徴なのは、やはりオルゴールの音色をメインにした音楽ですね。特に今回は主人公がオルゴール職人、ヒロインがピアニストということで話の一番盛り上がるポイントでオルゴールとピアノの二重奏を奏でる部分があります。この時の曲が非常に綺麗で、優しいんですけど力強さもある曲なんです。まさに、これから無名のオルゴールを最高のオルゴールにするんだという未来に向かって進みだそうという象徴のような曲でした。これ以外にも通常の曲の多くはオルフェウスの竪琴と共通でしたし、OPのボーカル曲の力強さもさすがといった感じでした。

 とりあえず手軽に出来る完成度の高い同人サークルの作品としては十分だと思いました。こういった決して有名ではないですが光るものがある作品に出合えるからこそ、コミケに参加してみるというものです。今後もこんなきれいな作品を作れるふぉらんさんには注目していくつもりです。短めですが今回はこのあたりで。


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