M.M 二重箱


<色々な意味で勿体無いファンディスク>

 「二重箱」は、文字通り「二重影」のファンディスクであり、結構多くのコンテンツがありました。主なコンテンツ毎に評価していきたいと思います。

 メインコンテンツの一つとして、「イルとツイの日常」があります。これは、原作に登場したイルとスイのアナザーシナリオとなっており、基本的に本編との絡みはありません。とにもかくにもイルとスイの魅力を十分に引き出したものとなっており、その最大の要因として「キャラクターボイス」の追加があると思います。しかし、一部エロさに特化した部分もあり、人によってはやや嫌悪感を抱くこともあるかと思います。ちなみに、時間としてはおおよそ一時間半程度で、ちょっとした読み物の感覚で楽しめると思います。

 もう一つのメインコンテンツとして、「砦に帰す」があります。これは、原作に登場した「彩」がのアナザーシナリオとなっており、彩の五年前のとある任務を描いた物となっております。このシナリオの最大の特徴として、原作同様の奇伝さと謎解きさがあると思います。時間としては三時間程度なのですが、雰囲気は原作「二重影」そのものであり、大いに楽しめる物となっています。しかし、当然ながら原作とのシナリオの絡みも無く、登場キャラクターも基本的に彩のみですので、キャラクター好きの方には肩透かしを食らう可能性があります。

 他のコンテンツとして、「ケロQクイズ」があります。これは、文字通りケロQにまつわるクイズで、クイズに正解するとヒロインが脱ぐといった典型的なものとなっています。クイズ自体は中々面白いのですが、内容がややマニアックであり、ケロQの前作である「終ノ空」をやらないとわからないものもあるため、二重影だけをプレイされた方には難しいかもしれません。他には「二重影」のCG集があります、原作「二重影」のCGモードではHシーンしかありませんでしたが、この「二重箱」のCG集はそれ以外の全てのCGが収録されています。二重影をプレイされた方は分かるかと思いますが、あの独特のタッチのCGを見れるという事でかなり意味の有るコンテンツであると思います。

 と、ここまで語るとなかなか良いファンディスクという印象を持つかと思うでしょうが、全体を通してみるといまいち収集がついていないという印象を受けました。どのコンテンツも最後の一押しが足りず、中途半端に仕上がってしまった感があると思います。それは、細かい部分を気にしなければ良いだけの話なのですが、「二重影」の完成度を考えるといまいち納得行かないというのが正直なところです。とは言え、それぞれのコンテンツは普通に楽しめる物になってますので、「二重影」が気に入った方ならやっても良いのではないかと思います。


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現在ネタバレのレビューはありません。見たい方も見たくない方も避難して下さい。

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