M.M ここのえこころ


<プレイした後に必ずビジュアルノベルとは何かという命題とそれに対する1つの回答が生まれると思います>

 この「ここのえこころ」という作品は同人サークルである「nostalgia」で制作されたビジュアルノベルです。パッケージの通り人外のヒロインを攻略する内容となっており、私がこの作品に初めて触れたのはC83の時なのですがその圧倒液な存在感を放つパッケージに驚きを隠せなかったことを今でも覚えております。内容もパッケージの通り人外のヒロインが普通に登場しまして、何か目の覚める新しいビジュアルノベルをプレイしたいという方にオススメできます。

 正直なところ内容的な部分でネタバレが出来ない関係で多くを語ることはしません。とにかく人外のヒロインとの恋愛とはどのようなものかという事だけを考えながら読み進めて頂ければと思います。始めは普通の恋愛ビジュアルノベルの様に進むと思います。ただ1つヒロインが人外という点を除いてです。そしてそのまま物語を進めていき、果たして結論はどのように迎えるのか、何故ヒロインが人外なのか、あらゆる事を妄想して頂ければより一層楽しめると思います。

 ちなみに私で40分で全てのシナリオを読むことが出来ました。1時間掛かりません。あっという間に読み終わることが出来ます。ですが全てを終えた時、必ずやプレイヤーの中でビジュアルノベルとは何かという命題とそれに対する1つの回答が生まれると思います。現在公式HPで無料ダウンロード出来ますので、ちょっと時間を潰したいという方からそうではない方まで幅広い方にプレイする事が出来ます。人外のヒロインとの恋愛の先に待っているもの、その答えはプレイヤーの数だけ存在します。是非今後のビジュアルノベルライフを楽しくする上でも是非プレイしてみては如何でしょうか。


→Game Review
→Main


以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。








































<改めて、ビジュアルノベルとはシナリオと文章有りきだなと心から思うことが出来ました>

 私が自身のGame Reviewの中で大切にしている事に「シナリオ」と「音楽」の2点を挙げておりますが、今回この「ここのえこころ」をプレイして改めてこの気持ちが自分の中で正しかったんだなと再認識することが出来ました。ヒロインは顔や外見ではない、大切なのは内面とその内面を表現する文章力だという事を確認する事が出来ました。

 最初で最後の選択肢、ヒロインを好きか嫌いかどうでもいいかというこのビジュアルノベルのテーマに直結する選択肢でした。私は迷わず「好き」を選びました。理由は簡単です、ヒロインが素直で健気で可愛かったからです。大切な幼馴染といつまでも一緒にいたい、難しいかも知れないけれど大学でも一緒にいていつまでも側にいて欲しい、そんな気持ちがストレートに伝わってきました。この気持ちに外見や顔は全く関係ありません。可愛いという言葉外見ではなくは内面にのみ通じる言葉だと思うのです。

 それでも最後のキスシーンのCGには驚かされました。まるで製作者が「ほら、こんなグロい女の子でも本当に愛せるのか?これが引き返す最後のチャンスだぞ?」と言っているかのようでした。事実虫から食虫植物のように伸ばされた唇は触れただけで食べられ溶かされそうです。それでも自分だったらキスすることが出来ると思います。何故ならヒロインを愛しているからです。ある意味好きな女の子であれば溶かされても食べられても本望なのではないでしょうか?ある種これこそ究極の愛ではないかと思うのです。

 いずれにしてもビジュアルノベルはやはりシナリオと文章力が一番大切だなと思うことが出来ました。コラムでスタッフの人達が「内面だけを見て愛することが出来るのか?」と問いかけてましたが、そもそも愛することが出来たのは内面の魅力を全力で表現してくれた文章のおかげです。どこまでスタッフが意図してこの作品を作ったかは分かりませんが、少なくともこの作品が私にとってのビジュアルノベルへの触れ方をブレさせるものにはなりませんでした。これからも物語のテーマとシナリオを大切にし、音楽を嗜みながら多くの作品をプレイしていこうと思っております。ありがとうございました。


→Game Review
→Main

inserted by FC2 system